インディーズレーベルを中心に展開するパブリッシャVersus Evilが,gamescom 2015で2回目となる出展を行い,同社が来季にリリースを予定している作品群を公開していた。その中でも気になったのは,ロトスコープによるアニメを使ったストーリー展開が人気を呼んだ,Stoic GamesのタクティカルRPGの新作「
The Banner Saga 2」だ。今回のイベントでは,同作のプログラマーである
John Watson(ジョン・ワトソン)氏がゲームを説明してくれたので,新要素などを聞いてみた。
プログラマーのジョン・ワトソン氏。Stoic Gamesにはたった3人の開発メンバーしかいないそうだ
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The Banner Saga 2は,前作から数週後,ヒューマンとヴァール(角付きの巨人)の混成による戦士のキャラバンが,安住の地を求めて旅を続けるという内容だ。そのゲーム性や技法に前作とほとんど変わりはないものの,やはり本作のキモとなるのはストーリー。本作は,三部作の真ん中にあたるタイトルだが,一部と三部の架け橋になるだけのありがちなストーリーというわけでなく,さまざまな起伏が用意されているという。
前作をプレイした人であればゲームデータを引き継ぐことが可能になっており,キャラバンのヒューマン・ヒーローとして描かれていた父子RookとAletteのどちらをプレイしたかで,スタート時点からストーリーが少し変化していくという。ネタバレにならない程度で紹介しておくと,Rookでプレイした場合は自分のほかのコミュニティメンバーに支えられながら生きることの強さを学び,Aletteで選べば父の偉業を乗り越えようと奔走することになる。
ストーリーの分岐は前作以上に用意されている様子。例えば,ボートで川を移動中に川べりで敵を見つけたというイベントが表示されると,ただ戦闘を開始するというだけでなく,下船して戦うか,戦ってすぐに戻ってくるか,それとも戦った後にどこから来たかを調査するために追跡するかといったオプションを選べる。それぞれが異なる結果を生み,得られる報酬も変わってくるという。
タクティカルに進めていくターン制のバトルシステムに大きな変更はないようだが,今回少しだけプレイできた導入部分では,相手のユニットが途中から戦闘の途中で参戦してくるシーンが見られた。灰色のオオカミのようなクリーチャーが数匹登場し,後方にいる弱い弓兵ユニットに回り込むように,姿を消しながら移動してくるなど,なかなかイヤらしい。
また,ゲーム内通貨のRenownがキャラクターのレベルアップに利用できるのに加え,本作ではある程度のポイントを稼ぐことで,キャラクターに新しいアビリティを追加させられるようになったのも気になるところ。キャラクターの成長の幅が広がるのは,ファンにとっても嬉しいところだろう。
ゲームの序盤で登場する女神の巨像(死んだ神が石化したもの?)のデザインは,ファンによるコンテストで選んだものを採用するなど,コミュニティを巻き込む形で,三部作の完成に向けて開発を続けるStoic Games。その発売は,年末を無理に目指すのではなく,前作同様にリリースタイトルの少ない年明けを目標にしているというワトソン氏だったが,多くのファンに支えながら,より良い作品となることに期待したい。