Sony Interactive Entertainment Europeは,E3 2017の開催に合わせて,
「PlayLink FOR PS4」 という新たな試みを発表した。PlayLink FOR PS4は,スマートフォンやタブレットをサブディスプレイ,あるいはコントローラとして使って遊ぶ
ゲーム群 の総称で,E3 2017で発表された対応タイトルは以下の5つだ。
「Hidden Agenda」
「THAT’S YOU!」
「Knowledge is Power」
「Frantics」
「Singstar Celebration」
上記のうち,Singstar Celebrationを除く4タイトルがE3 2017に出展されていた。それぞれ体験してきたので,順番に紹介しよう。
なお以下,スマートフォンやタブレットについては,まとめて「スマホ」として話を進める。
Hidden Agenda
Hidden Agendaは,「犯人捜し」のようなストーリーが展開するアドベンチャーゲームだ。複数のプレイヤーが参加可能で,プレイヤーはそれぞれの手に持ったスマホを操作し,物語の途中で現れる選択肢を選んでいく。プレイヤー達で意見が分かれた場合は,人数の多いほうが選ばれる。
また,全員の意見が一致するまで話し合わなければいけないことがあったり,プレイヤー同士であらかじめ決めたリーダーだけが選択できたりするシチュエーションもある。
ここまでの説明だけだと「単にストーリーが枝分かれするアドベンチャーゲーム」と捉えられてしまうかもしれないが,本作のキモはタイトル名にもなっている
「Hidden Agenda」(隠された目的 )の存在にある。
プレイヤー達の目的は真犯人を突き止め,トゥルーエンドに到達することにあるが,プレイヤーのうちの一人にだけ「隠された目的」が,こっそりと与えられるのだ。そしてこの特別なプレイヤーは,その目的――今回の体験プレイで筆者は選ばれなかったためはっきりとは分からないが,おそらく真犯人に協力するような内容だろう――の遂行を胸に行動する。
つまり,プレイヤーのうち一人は,真犯人にたどりつかないような選択肢を選ぶようにほかのプレイヤー達を誘導するのだ。もちろんほかのプレイヤーは,誰に隠された目的が与えられているのかは分からないので,選択肢が現れるたびにプレイヤー同士で議論し,その過程で誰が真犯人に協力しているのかを探っていかなければならない。
そういった議論を繰り返していき,ストーリーの最後に,誰に「隠された目的」が与えられていたのか,そしてその目的が達成されたか否かが明かされ,達成できていれば,隠された目的を果たした人に得点が与えられる。
また,エンディング手前で誰が裏切り者なのかをそれぞれ推測する時間が設けられ,それが当たっていたプレイヤーも点を得られる。最終的に得点が一番高かったプレイヤーの勝利だ。
今回は初対面の者同士ということもあり,お互いに遠慮があったため議論はほぼなかったが,友達同士で遊べば盛り上がりそうだ。もっとも,あまりにもこのゲームがうますぎると,友人として距離を置かれるようになってしまう気もするが。
Hidden Agenda | E3 2017 Reveal | PS4
VIDEO
THAT’S YOU!
THAT’S YOU!は,スマホで撮影した自分の写真に
落書き をして,誰の写真が一番面白いかなどを投票し合うというパーティーゲームだ。
お題はさまざまで,今回の体験プレイでは「ジェットコースターに乗ったあとのような加工をしろ」というものがあった。
写真に何かを書き込んだり,歪めたりとさまざまな手を尽くして加工するわけだが,決してそのうまさを競うわけではない。もちろんほかのプレイヤーに投票してもらえれば得点を稼げるが,誰が一番投票されるかを推測する場面もあり,それが当たっていても得点をもらえる。ほかの人達といかに共感できるかも勝敗を分けるのだ。
といっても,そもそも勝敗などは二の次で,いかに変顔で写真を撮れるかや,ほかのプレイヤーの顔を面白おかしく加工するかというのが,本作の正しい楽しみ方なのだろう。
That's You! | E3 2017 Reveal Trailer | PS4
VIDEO
Knowledge is Power
Knowledge is Powerは,「テレビのクイズ番組風」のゲームだ。プレイヤーは自分の写真をスマホで撮影して取り込み,クイズ番組の出演者となる。
番組は「王道のクイズ番組」といった内容で,シンプルな4択問題を基本とし,正解者には得点が与えられる。
また,正解者のなかで,一番早く正解を選択していた人の得点が高くなるので,解答の速さを競うという側面もある。
このように,別のゲームタイトルに関連した問題もあった ※クリックで拡大
通常のクイズゲームを同じ画面で遊ぶと,誰がどの答えを選択しようとしているのかが分かってしまい,緊迫感に欠ける。
しかし本作はサブディスプレイとしてスマホを使うので,ほかの人に答えを見られる心配はない(覗こうと思えば覗けるが)。
また,得点が倍になるアイテムや,相手の解答スピードを落とすお邪魔アイテムなどを使うといった要素もある。得点が突出して高い人をほかの人達が協力して蹴落とす,なんてことも可能なのだ。
Frantics
Franticsは,スマホを使った簡単操作で楽しめるミニゲーム集だ。今回体験したのは,そのうちの二つで,最初は,端末を特定の方向に傾けるチルト操作でバランスを取りつつ,ほかのキャラクターを下に落とし,最後まで残っていた人が勝ちというゲームだった。スマホの画面をタップしてジャンプするという機能もあったが,基本的には傾けるだけでキャラクターを操作できる。
もう一つは,高いところから飛び降り,誰が最初に無事に地面に到達できるかというゲームだった。途中でパラシュートを開かないと地面に激突してしまうわけだが,ほかの人よりも早く使えば,それだけ地面への到達が遅れる。いかにギリギリまで我慢できるかという,チキンレースとなっているわけだ。
複数人,とくに3人以上で遊ぶシチュエーションを想定してコントローラを用意している人はあまりいないだろう。
だが,PlayLink FOR PS4で使うのはスマホということで,「コントローラが足りない」が問題となることは(多くの人がスマホを使う現代では)少ないはずだ。
PlayLink FOR PS4は,Sony Interactive Entertainment Europeが進めているプロジェクトであり,現段階で日本での展開などははっきりしていない。
しかしPS4をリビングルームに置いている筆者としては,日本ローカライズ版の登場にも期待したいところだ。
Singstar Celebration(未出展)のスクリーンショット