Bethesda SoftworksがE3 2017にタイミングを合わせて発表した「Wolfenstein II: The New Colossus」(PC / PS4 / Xbox One。以下,The New Colossus)は,“新生ウルフェンシュタイン”として2014年にリリースされた「Wolfenstein: The New Order」と,その前日譚にあたる「Wolfenstein: The Old Blood」(PS4 / Xbox One。2015年)に続く,シリーズ最新作だ。
主人公は,シリーズ従来作というか,25年前の「Wolfenstein 3D」(1992年)以来,シリーズ作品の(ほぼ)主役を務めてきたウィリアム B.J. ブラスコヴィッチ(以下,BJ)となる。BJが主役と聞いて,筆者のように驚く人もいるだろう。
どう書いてもネタバレ注意なのだが,なにしろ「Wolfenstein: The New Order」のエンディングがあんな感じになっており,意識が薄れゆく中のBJの独白が,日本語音声を担当した中田譲治さんの声と相まって,かなりグッときたからだ。そんなBJが再登場するとは,オレの「グッ」を返してほしいという気持ちだが,もっとも,全2作をかなり楽しんでもいるので,新作は嬉しい話でもある。
というわけで,The New Colossusについて,現在分かっていることを簡単にまとめてみたい。
まず本作は懐かしの顔が揃うシングルプレイ専用のFPSになるとのこと。前日譚では出すわけにはいかなかった恋人のアーニャが再登場するほか,公開されたムービーやデモ版では,「Wolfenstein: The New Order」でかなりひどい目に遭わせたはずのイレーネ・エンゲルの顔が確認できる。
さすがにイレーネの若いツバメとか,なによりデスヘッドの再登場は難しいと思うが,このへんは分からないので,軽く期待してもいいかもしれない。
舞台となるのは,ヨーロッパに続いてアメリカ本土で,時代は1961年とのこと。つまり,「Wolfenstein: The New Order」と同じ年で,デスヘッドの未来的な兵器によって第二次世界大戦に勝利したナチスの支配下にある。ムービーではニューオーリンズの大通りやワニのいるバイユー(湿地帯)などが確認できるが,とくに大通りの,現実によく似ていながらナチスの支配下らしい雰囲気が見事だ。
このほか,UFO騒動でおなじみのニューメキシコのロズウェルや,核攻撃を受けたマンハッタンなどが登場するという。
かくして,瀕死の重傷から回復したBJは,ナチスの支配に逆らうCarolineやBombate,Set,Max Hassといったメンバーのいるレジスタンスに参加して,アメリカ解放のために戦い,やがて,第二の独立運動の象徴的存在になっていく。このあたりは,「Wolfenstein: The New Order」と似ているかもしれない。
前作までのBJは,脳ミソ筋肉のマッチョガイとは一線を画す,どこか内省的で沈鬱な人物として描かれていたが,本作ではアーニャの妊娠により,家族を守るという要素も加わったため,今回は「荒ぶる兵士」としての側面がより強調される。
ただし,こうしたディストピアもので,手放しのハッピーエンドは考えづらいので,ひとひねり入った物語になることは間違いない。
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